のはらうたでの「あめ玉」の文学的評価は低いものでした。
「5年生にふさわしくない。」「お話にリアリティがない。」
確かに、文学としての深みはありません。
Tossランドの実践記録を見ると、起承転結に分けさせたり、中心人物(もしくは主人公)は誰かを検討させていたり、題名の「あめ玉」が何を象徴しているか考えさせたりしていました。
短い物語だからこそ、上記のようなことを検討するための練習用教材としては適しているかもしれません。
教師として、その作品を気に入るかどうかも、指導に反映されます。
でも、その教材だからこそ、子どもたちを伸ばすことができる場合もあります。
ちなみに、中心人物は「お母さん」でしょう。このお話がお母さんの視点で書かれていること(心情も書かれている)、お母さんの侍に対する考え方が最初と最後で大きく変わっていること、などから分かります。
題名の「あめ玉」は、幸せを象徴していると考えられます。
要するに、「幸せ」は分かち合えることができるのです。
「あめ玉」の反対概念を考えさせるのも面白いかもしれません。味の反対なら「梅干し」で、概念の反対ならごんを殺した「鉄砲の玉」というところでしょう。
(2015.9.19)