1つ目を全員に覚えさせることが暗唱指導の要です。
《ねらい》 暗唱は、最初の1つ目が一番難しいです。1つめの古文や詩文が暗唱をクラス全員ができるような手を教師が打っていきます。
《すすめ方 困難は分割せよ。長い詩文は分けて覚える。》
全員に暗唱させる1つ目は、10~15行程度のものがいいです。
長すぎると、「暗唱なんて自分のは無理だ」と、最初からあきらめてしまう子が出てきます。一方、短すぎると、暗唱できたという達成感が味わえません。
以下に、暗唱指導の第一ステップを箇条書きします。
[暗唱指導の第一ステップ]
① 全員がスラスラ音読できるように何度も音読させる。(最低20回)
② 暗唱する詩文を視写させる。
③ 一斉読で暗唱できるようにさせる。
④ 題名・作者をふくめて5行ほどを暗唱テストする。
⑤ 子ども相互に暗唱テストを行わせる。
⑥ 教師の前で暗唱テストに受けさせる。
5行暗唱をさせる④が一番大切です。ここでは必ず全員が合格できるように何度でも練習させます。
授業時間が足りなければ、給食中に交代で言わせにきてもいいです。
「最初5行を全員が暗唱できたら、全文の暗唱テストを始めます。もう全文を暗唱できる人は、完璧に暗唱できるように練習しておきましょう。」
完璧暗唱とは、間違えず詰まらず、しかもみんなの前でスラスラと暗唱できることを言います。
教師による暗唱テストは、最初に合格した子どもたちを教師代わりにしてもいいでしょう。
ここでのポイントは、最初の5行を全員が暗唱できるまで、全文の暗唱テストに入らないということです。ここをおろそかにすると、できる子だけが次々暗唱するクラスになってしまいます。
《成功のポイント 甘くしない》
ちょっとでも詰まったり、1つでも間違えたら失格です。ここをゆるめると、このあとの暗唱もいいかげんなものになってしまいます。うろ覚えの暗唱は、結局は、その子の自信につながっていかないからです。
《こんな場合は なかなか合格できない子には》
もうステップを細かくしてあげます。
「題名だけ暗唱してごらん。」
題名だけを間違わず、詰まらず言えたら、「合格。よくできた。」とほめます。
そして、1行ずつ増やしてあげるのです。
(2006.6.21)