福山憲市『一人ひとりを見つめる子ども研究法の開発』(1997.4明治図書)に載っている以下の文章を『学力研の広場11月号』の巻頭に載せます。
給食の時、牛乳ビンが一度に五、六本割れた。割った本人は泣いている。回りの子もワーワー言っている。そんな中、古泉さんという気の強い女の子がこんなことを言っていた。
けがなかった?
他の子は牛乳ビンを気にしているのである。ところが、古泉さんは違う。
怪我がなかったかを気にしているのである。
日頃、ちょっとした気に食わないことあると泣いていた古泉さん。ところが、友達のこととなると相手のことを心から考えてあげていた。牛乳ビンが割れてしまったことは仕方がない。怪我がないことの方が大切である。
教室の中では、いろいろなハプニングが起きる。
そのハプニングの時、子どもたちがどのように動き、どのように考え、どのように回りの人・物と関わっていくかを見ることでも、子どもを見抜くヒントになるのである。
ハプニングや問題が起きやすい11月です。でも、その中でも、子どもを観察することで、子どもの光る面を見つけることができるのです。
(2015.10.9)