「町の幸福論」の第1段落は、こうです。
「豊かな未来」という言葉から、わたしたちは、どのような町や姿や、人々の生活を思いえがくだろうか。例えば、美しい建物や道路など最新の設備が整えられた町。あるいは、最新の機器に囲まれて、コンピューターの画面一つで勉強も買い物も何もかもできる生活。このようなイメージには、新しい物や至れりつくせりの便利さがある。
この段落での一番のキーワードは、「豊かな未来」です。
たんに未来の町や姿や生活ではなく、「豊かな」が大切になってきます。
この後、2段落を読めば分かるのですが、筆者が言いたいことはこの1段落にはないわけです。2段落のことをいいたくて、1段落の話を引き合いに出しています。
それゆえ、この1段落を要約するのは、難しいです。
「新しい物や至れりつくせりの便利なのが豊かな未来。」
と言い切るわけにはいきません。むしろ、
「新しい物や至れりつくせりの便利なのが豊かな未来なのか?」
となるわけです。疑問文はどこにもないので、この要約は、1段落だけを読んでいては出てこないのです。
(2015.11.9)