最も親しいカレーの長い旅

 昨日、市教科研があり、4年国語の研究授業を観ました。
 説明文の「カレーの旅」(日文)です。最終段落は以下の通りです。

 これが、日本のカレーの歴史です。インドからイギリスへ、イギリスから日本へ。わたしたちにとって、今、最も親しいカレーも、ずいぶん長い旅をしてきたものですね。

 ここから主発問を作っています。
「筆者が最も親しいカレーもと書いたのは…?」
 この発問から、筆者の言いたいこと(主張)に迫りたかったようです。
 でも、この文章を素直に読めば、長い旅をしてきたということを強調したいがために、「最も親しい」という不確かな言葉を入れただけでしょう。
 そもそも「最も親しい」というのは、作者の主観であり、事実とはいえません。
 むしろ最も親しいといえるのは、「お寿司」かもしれませんし、「おにぎり」かもしれません。これは、あまり知られてないフランス料理やスペイン料理などと比べて「最も親しい」と書いてるだけなのです。
 私なら、次のような発問をして、筆者の主張に迫ろうと考えます。
「人は旅の中で、いろんな経験をし、成長します。カレーは旅の中で、どんな経験をし、どんな成長をしたのでしょうか。」

(2015.12.3)