パンを取るハサミのような道具をトングといいます。
あなたがパン屋の店員なら、トングのどこを念入りに洗いますか。
①先のパンをはさむところ ②トングを持つところ ③その他
パンをとるトングがベタベタで、「なんだ、これは」となることがあります。
トングを洗う時に、手元を持って、先端だけを洗っているのです。
ところがお客様の手に触れるのは手元です。
手を抜いたり、ほったらかしにしているから、トングを持ったお客様は「うわっ」となるのです。
中谷彰宏『なぜあの人は整理がうまいのか』より
もちろん、トングの先を洗うことは衛生面で大切なことです。
でも、お客が手に持つところをいいかげんにしてしまうと、お客はどう思うでしょう。手に持つところがベタベタであれば、「トングの先も洗ってないのではないか」と思っても、仕方のないことでしょう。
これは陰徳とは逆のことであり、見えるところの行動が悪ければ、見えないところでも悪いことをしていると思われてしまうわけです。
他人は神ではありません。自分の一部を見て、自分のことを類推されてしまうわけです。不公平だとか、理不尽だとか思うのは、結局は甘えた考え方なのです。
見えるところも見えないところも手を抜かないことが大切になるのです。
(2016.1.2)