鈴木健二『教師力を高める~授業づくりの基礎となる20の視点』に、教科書研究のステップが載っています。
授業を見ながら教科書を読むと、授業と教科書のズレが明確に見えてくる。教科書に示されている内容が教師に十分理解されていないなと感じることが多い。このような教科書との真剣勝負の場を何度となく繰り返すことで、ずいぶん教科書が見えてくるようになったように思う。
大まかに言って、教科書を研究するステップには次の3つがある。
① 教科書を読む。
② 構成要素を見抜く。
③ 授業を構成する。
意外とできていないのが、「教科書を読む」ということである。「教科書を読む」にも、3つの視点がある。
視点1 単元を通して読む。
視点2 学習内容の系統性を見抜く。
視点3 1単位時間ごとのポイントを見抜く。
研究授業をするときなどでも、授業で扱うページ以外は十分に読んでいないという状況が見られる。だから、授業のポイントがずれてくる。単元を通して読み、学習内容の系統性を見抜いたうえで、1単位時間ごとのポイントを見抜いていかなければ、質の高い授業を展開することは困難である。
長く引用しているのは、はやしのメンバーになるだけ、鈴木健二氏の文章に触れてほしいからです。また、ここで引用している部分を講座で1コマやっていただこうと考えているからです。
教科書を使って授業ができるようになることは、授業づくりの基礎・基本といえます。教材を見つけるところからの授業づくりを毎日毎日くり返せるわけはありません。
日々の授業をどうやっていくか、教科書をどう使っていくかと、ほぼ同じことといえるのです。
鈴木先生の教科書研究におけるキーワードは、「見抜く」ことです。
構成要素・系統性・ポイントを見抜くには、どうすればいいかを教えていただけると、参加者の役に立つことでしょう。
「教科書を見抜く授業づくりの方法」みたいなタイトルにしようと考えてます。
鈴木先生は、算数の授業を例に挙げていましたが、確かに、単元を通して何を教え何を身につけさせないといけないかは、第1時が始まる時点でつかんでいなければいけません。そうではないと、一貫した指導はできないわけです。
日々の授業に追われている先生方には、その視点がどうしても抜けていってしまうのですから、より必要な講座となりそうです。
(2016.1.15)