春の河

 山村暮鳥の詩「春の河」が、東京書籍の『新しい国語六』の「日本語のしらべ 春」に載っています。
 音読後、題名・作者・連の数を確認した後、気付いたことを書かせます。
 旧仮名遣いをしているので、昔に書かれた詩であることは気付くでしょう。
「あふれてゐる」が2回くり返され、「たつぷりと」は倒置法で、それぞれが強調されています。
 あとは、題名の「河」と、小さな川々の「川」とのちがいでしょう。
 例解学習国語辞典では、「河」は、大きい川。「川」は、自然の水が集まって地表に流れる道すじ。大河や小川の表現があるので、大きさの違いであることは。分かるでしょう。
 問題なのは、詩の中では小川のことをいっているのに、なぜ、題名が「河」なのかです。
「小さな川々まで」の「まで」に注目し、春が小川だけでなく、草花や生き物や空気など、あらゆることにたっぷりとあふれていて、その全てをひっくるめて、春の河と例えていると、読み取ることができればOKでしょうね。

(2016.4.7)