情報に「情け」が必要なわけ

「情報」の「情」は、「情け」とも読めます。
 「情」を『漢辞海』で調べてみると、8つの意味がありました。

①外界に対する喜怒哀楽などの心の動き。 ②対象に注ぐ気持ち。
③強く欲する気持ち。 ④利己的な気持ち。 ⑤本来的な性質。
⑥おもむき。 (ア)味わい。 (イ)実際の様子。
⑦まこと。 (ア)誠実さ。 (イ)真実。 ⑧精神。

 「情報」に合いそうなのは、⑥(イ)「実際の様子」か、⑦(イ)の「真実」になりそうです。
 ネットで調べてみると「なぜ情報は情けに報いると書くか」という質問があり、その答えの中の1つに、森鴎外が出てきました。

確か、森鴎外氏が「戦争論」を翻訳する時に作った言葉だと聞いています。
原語はドイツ語。
戦いを指揮する者は、最前線の兵士が何を経験し、何を見聞きし、何を欲しているのかまでを知る必要があり、またそれに応えてやらなければならないのだ、そうでないと、兵士は期待されているだけの働きはできない、という意味合いを込めて「情に報いる」、つまり情報収集の必要性を強調したというお話しです。

 もちろん、他の説(情報)もあるのですが、これが授業では使えそうです。

(2016.12.30)