天地の文と随筆

『国語六 創造』(平成27年度版、光村図書)に、福澤諭吉の「天地の文」が載っています。和暦から西洋の太陽暦に変えられた頃に書かれました。

天地日月(じつげつ)。東西南北。きたを背に南に向かひて右と左を指させば、ひだりは東、みぎはにし。日輪、朝は東より次第にのぼり、暮れはまたにしに没して、夜くらし。一昼一夜変わりなく、界(さかい)を分けし午前午後、前後合わせて二十四時、時をあつめて日を計(かぞ)へ、日(ひ)数(かず)つもりて三十の数に満つれば一か月、大と小とにかかはらず、あらまし分けし四週日、一週日の名(みよう)目(もく)は日月火水木金土、一(ひと)七日(なぬか)に一新し、一年五十二週日、第一月(げつ)の一日は年たち回る時なれど、春の初めは尚遅く初めて来(きた)る第三月、春夏秋冬三月づつ合わせて三百六十日、一年一年又一年、百年三万六千日、人生わづか五十年、稚(おさな)き時に怠たらば老いて悔ゆるも甲斐なかるべし。

 事実を書き連ね、最後に「稚き時に怠たらば老いて甲斐なかるべし」と書き、「小さい時から努力しなさい」ということを主張しています。
 事実を並べて最後に主張するという書き方です。
 一方、教科書の13ページ後に出てくる「随筆を書こう」では、忘れられない言葉とその体験を綴った随筆を紹介しています。
 言葉(名言・格言)+体験という形の書き方です。
 これら2つをからめて、春日井では授業しようと考えています。

(2017.1.3)