問題は常にクラス全体に返す

 親子スポーツ集会が日曜参観でありました。
 1回戦は、大人子ども混合の1組対2組。2回戦は、1組2組混合の大人対子どもです。問題は、2回戦で起こりました。
 私のクラスのKくんが、「N(2組の子)にパスするなよ」と言っていたらしいのです。2組の担任の先生から、子どもが帰った後に聞きました。
 月曜日の休みをはさんだ今日、朝は児童朝会。教室に戻り、朝の挨拶をしてから名文音読を1枚だけ(いつもなら2枚)してから、机の上を片付けさせて話しあいの机にさせました。
 大事な話をする時は、机の上のものを全部片付けさせます。毎回そうしているので、机の上を片付けと言われたら、大事な話なんだなということが子どもに意識づけされるわけです。さらに話し合いの机なら、大事さが増えるのです。
「日曜日の親子スポーツ集会のことです。これは問題だなと思えることがあったのですが、心当たりの人いますか。」
 Kくんだけが手をあげました。立たせて言わせると、自分がある子に悪口を言ったことを話しました。それについて注意した後、
「まだ、あるのです。」
 Kくんは自分では思い出せなかった(?)ので、こちらから「パスするな」という話をして、それが事実かどうか確かめました。
 本人は、そのことを認めました。
 こういう時、Kくんだけを見て話をしません。
「みなさん、いいですか。誰々にパスするな、と言ってパスしなかったらどうなりますか。これはいじめじゃないですか。」
 クラス全員に語りかけるように話します。
 なぜ、Nくんにパスしないのは、なぜかをKくんに問いました。
「Nくんが投げたら、どこ行くか分からない。時間がかかるから。」
というようなことをKくんは答えました。
 ここで、またみんなに問いかけます。
「これは、投げるのがヘタな子は、ドッジボールに参加するな、と言っているのと同じですね。」
「みんなで協力してドッジをするのと、時間と、どっちが大切なんですか。」
 全員にどちらかに手をあげさせます。
 当然、話の流れから、全員が協力の方に手をあげます。
 そして、また、Kくんに向かって、詰めていきます。
 1人のやった問題を詰めながら、常に、クラス全体の問題へと返していく。そうすることが、クラス全体の学びになるからです。
 1時間目はT.Tの入る算数ですが、20分ほど、この話に使ったのでした。

(2008.6.10)