鈴木健二『道徳授業づくり 上達の10の技法』(2008.4日本標準)の上達の技法⑨「出会わせたい場面から逆算して授業を構成せよ。」より。
「ズレを感じさせる出会い」や「意表をつく出会い」、「比較による出会い」も、授業を構成するときには、出会いの場面から考え始めている。
つまり
一番出会わせたい場面はどこか
を考えているのである。
私の作った「陰徳」の授業であれば、出会わせたい場面は当然、陰徳の事例です。陰徳との出会いを効果的にするために、逆に、陰悪の事例から扱っていくわけです。
以前、「時間を守る」ことをテーマに道徳授業を作ったことがあります。
最後の事例として、今年で12年目を迎えた福知山線の脱線事故を扱いました。
この事故は、時間を守ろうとして、安全を守ることを忘れた人身事故です。
時間を守ることは、相手との信頼を守ることにもつながります。
結局は、何を守るために時間を守るかを考えなくてはいけないのです。
根本に立ち返ることを訴えているともいえます。
日々の教育実践の中でも、忘れてはいけないことなのです。
(2017.4.26)