大量の情報にフィルターをかける

 鈴木健二『道徳授業づくり 上達の10の技法』(2008.4日本標準)の上達の技法③「インプットの量を圧倒的に増やすことが基本である。」より。

 情報収集の少ない人間の発信する情報は貧弱であり、発想も貧困である場合が多い。
 若い教師に酒の席などでときどき次のような話をする。
「Aしか知らなければ、Aしか思いつかない。しかし、AとBとCを知っていれば、A、B、C、AB、AC、BC、ABCというふうに発想が広がる。だから、情報収集が少ない人間は、発想が貧困になる」

 発想は、違うものと違うものとの組み合わせから生まれます。
 Aしか知らなければ、AとBを組み合わせて生まれる発想は出ないわけです。
 ただ、何でもかんでも大量に情報収集したらいい、というわけでもないでしょう。本を読んでも、その内容をすぐに忘れていたら、何の役にも立ちません。
 自分の中に、課題を持ち、そのフィルターを通して、情報収集するからこそ、使えそうな情報がひっかかってくるのです。
 また、ひっかかってくる、というイメージだけでなく、ひっかける、というイメージも必要でしょう。課題と全く関係のないような情報の中に、実は関連づけられる情報がないかを探ってみるといいのです。

(2017.4.28)