新幹線劇場

 右の写真で、新幹線に向かってお辞儀をじている人たちがいます。
 この人たちは何の仕事をしている人たちでしょうか。
 大きいバックの中に、何が入っているか考えると見えてくるでしょう。
 そう、新幹線車内の清掃をする人たちなのです。
 では、新幹線内での清掃は、どんなことをしないといけないのでしょうか。

 例えば、ゴミ拾いがあります。
 ゴミといっても、お弁当の空き箱やペットボトルや紙コップには、中身が残っていることもあります。拭き掃除もあります。窓ガラスには、寄りかかったお客の整髪剤が付着していることもあるそうです。 網袋にモノがはさまっていると、取り除かないといけません。カーテンは全て開けます。小さなゴミも全て拾っていきます。背もたれに汚れやシワがあると、交換します。平均して、1両につき10~15枚は交換するそうです。(ちなみに、修学旅行生が乗車した車両は、もたれがめちゃくちゃになっているので、全て取り替えます。)
 荷棚に忘れ物がないかを確認します。さらに、新幹線車両内サービス誌を網袋に挟んでいきます。
 この清掃の仕事に、どのくらい時間がかかると思いますか。
 新幹線が駅のホームに到着してから折り返して発車するまでの時間は12分間。お客の降車に2分、乗車に3分の時間がかかります。
 実際に清掃に使える時間は、7分間しかないそうです。
 これを何人で行うのでしょうか。

 JR東日本テクノハートTESSEIの清掃チームは11人です。
 普通車は1両を1人で担当、1両の座席は100席あります。
 グリーン車は1両に3人担当。座席は60席ですが、グリーン車は床が絨毯で付属物が多く、清掃に手間がかかるからだそうです。
 トイレ清掃チームがトイレだけを専門に担当します。
 これらの清掃を7分間で終え、右の写真のように乗車するお客にお辞儀をしてお見送りするのです。「7分間の新幹線劇場」と言われているそうです。 

(2017.5.9)