課題と向き合うために

 堀裕嗣「機能する小集団交流・10の原則」『小六教育技術2017.6』の原則1が、私の主張と似ているので、嬉しかったです。
 原則1は「子どもたち全員に「話す内容」をもたせる」です。

人はある課題と向き合うとき、自分の意見をもつことによって初めて他人の意見が気になるようになります。自分の意見がない場合には他人任せになったり、考えることを放棄してしまったりするものです。

「聞く」ためには、自分の中に「話す」ものがないといけないわけです。
 自分の意見があるからこそ、同じ意見の人がいることにホッとし、違う意見の人がいることで頭が刺激されるのです。
 堀氏は、原則3の「拡散から収束へを原則とする」の中で、拡散こそ何より大切だと書いています。
 マルチ発問とセレクト発問では、マルチ発問の方が大切なのです。
 あまり授業のねらいを教師が意識過ぎると、マルチ発問による全員が自分の意見を表明する場を短くしてしまい、ねらいに沿うセレクト発問へすぐに入ってしまいがちになるのです。
 マルチ発問は、子どもの中にあるものを豊かに広げ、育てます。一方、セレクト発問は、子どもの中の不必要なものをそぎ落とし、鍛えるわけです。

(2017.5.16)