不適切な行動の目的は進化する

 長妻眞智子「子どもに自信と活力を与える教師のかかわりと言葉がけ」『小五教育技術2017.6』(小学館)に、「子どもの不適切な行動の目的」が右のように、図解されていました。
 これはアドラー心理学に基づくものだそうです。

 第一段階の目的は、「注目・関心」を引くことです。例えば、教師の注目や関心を引くために、授業中にわざとふざけたり、大声を出したりする子がいます。忘れ物や遅刻を繰り返す子も同様です。このようにルールを守らず、同じ失敗を何度も繰り返していると、周りから注目してもらえるでしょう。こうした子は、本来良い行動で注目してもらいたいのですが、それがかなわないため、からかわれたり叱られたりするような行動をわざと起こして、自分の存在をアピールしているのです。

  大切なことは、この第一段階の行動の目的に気付いてあげることです。放っておくと、最後には無気力・無能力を誇示して、何もしない子になってしまいます。
 長妻さんは、「適切な行動」に注目することが大切だと書いています。
 その「適切な行動」とは、特別な行動ではなく、普段から「当たり前」のようにやっている行動です。その行動に対して、「ありがとう」「助かってるよ」と声をかけることが大切なのです。

(2017.5.27)