敬語は主語で見分ける

 敬語は、次の3種類です。

1)尊敬語…相手や話の中に出てくる人を直接うやまうことば。
2)謙譲語…自分がへりくだることによって相手をうやまうことば。
3)丁寧語…ていねいに言うことば。

 この中の丁寧語は、「です」「ます」「ございます」のような文末にしたり、お茶やご褒美のように「お」や「ご」をつければいいだけです。
 問題は、尊敬語と謙譲語の見分け方です。

1)社長はもう帰られたようだ。   2)私がそちらにまいります。

 一つの見分け方として、主語に注目するといいようです。
 尊敬語は、相手や目上の人が主語になります。だから、1の文の「帰られた」が尊敬語になるのです。
 一方、謙譲語は、自分や身内(家族)が主語になります。だから、2の文の「まいります」が謙譲語になるのです。

「海に帰りましたか。与吉じいさ、心から感謝しております。」

「海の命」の太一のセリフです。海に帰った主語は、与吉じいさですから、ここは「帰られましたか」になるべきです。「感謝しております」の主語は、太一で、ここは「いる」の謙譲語の「おる」になっています。

(2017.6.29)