恐ろしい大学入試改革

『週刊新潮2017.7.20』で精神科医の和田秀樹氏が「ゆとり教育より恐ろしい2020年「大学入試改革」」という記事を書かれている。

 この入試改革の前提には、日本人には自分で考える力がない、プレゼンテーション能力が低い、という問題意識があるようだ。しかし、実は諸外国も初等中等教育に関しては、1980~90年代の日本を見習い、基礎学力を高める方針をとっている。初等中等教育では十分な知識を習得し、レポートを書いたりプレゼンしたりする能力は大学や大学院で身につける。覚えた知識を疑ったり応用したりする教育は、基礎学力を身につけたのちに大学以降で行う。(中略:荒井)
 今回の入試改革も、大学生にプレゼン能力がないことの責任を高校までの教育に押しつけ、入試でそれを見ようというもの。だったら大学に入って何を教えるのか、という話なのだ。

 小・中・高の教育は、基礎学力を身につける場でいい。改革すべきは大学入試ではなく、大学の講義の方なのです。
今の大学は、文部科学省の補助金頼みで運営されているため、上記の大学入試改革はどの大学でも実行されるだろうと、和田氏は書いています。
今の学生は、入試に様々な能力を要求されます。そのために、基礎学力が相対的に落ちていってるのです。改革するごとに教育がダメになるようです。

(2017.7.16)