詩「三日ぼうず」

 丸山薫の詩「三日ぼうず」です。

「三日坊主」とは、「あきっぽくて、何ごとも長つづきしないこと。また、そのような人。」(『例解学習辞典』)という意味です。由来を調べてみると、

 僧の修業というものは、早朝からお勤めが始まり、食事も粗食で規則正しい生活を強いられる。出家しても、中途半端な気持では修業の厳しさを乗り越えられず、三日経ったら還俗(出家した人が再び俗人に戻ること)してしまう人がいることから出来た言葉。(『故事ことわざ辞典』)

 この詩には、さまざまな表現技法が使われています。
 まずは、擬人法。三日ぼうずをぼうさんに例えています。
「どこにいるのか 三日のぼうさん」は、倒置法です。
「おーいと かすかなへんじをしたよ はずかしそうな へんじだったよ」
は、くり返し(リフレイン)です。
 結局、はずかしいのは、あれもこれもとやりはじめてできなかった「ぼく」なのでしょう。
「ぼくのおなかに ぼうさんいたよ」は、「ぼくが三日ぼうずだ」と言っているのと同じなわけです。
 ぼくの願いというか決意は、「ひとつでいいから よいこときめよう それをかならず やりとげようよ」です。
 これを一連の最初の2行と続けて読めば、この詩の言いたいことがよく見えてきます。

あれもこれもと やりはじめても
つづけてやらねば 三日ぼうずだ
ひとつでいいから よいこときめよう
それをかならず やりとげようよ

 一連の最初2行と、四連の最後2行で、まとめた連ができるわけです。
 その間は、詩を豊かにするために書かれているわけです。

「一つを決めて、それをやり遂げる」というのは、一点突破の講座にふさわしいテーマなので、講座の最後に、この詩を紹介しようと考えています。

(2017.8.14)