フェイクニュースと主語の大きさ

 以下に紹介するのは、元NHKキャスターの堀潤氏のインタビューです。

「フェイクニュース」への対策というのは、実はとてもシンプルです。
 まず、「それがオピニオンなのかファクトなのか」を確認することから始めると良いのですが、どうそれを見分けるか。まず確認してほしいのは「主語の大きさ」ですね。
「日本は右傾化している」「若者が草食化している」などとよく言われますが、「日本」って誰だろう、「若者」って誰だろうと思いませんか?
 意外とみんな主語が大きいんです。これはマスメディアでも同じで、気を抜くとすぐに「被災地は今も苦しんでいる」なんて言ってしまう。これに対して、「うちはもう立ち直っている。今さら被災地なんて言われたくない」と怒る人もいれば、「うちは今も仮設住宅です。これで何年目の冬だろう」と嘆く人もいる。
 どちらも事実なんです。主語を大きくした途端に、このような論調が、地域に余計な分断をもたらしたり、一般社会に誤解を与えたりしてしまう。
 だから、主語はできるだけ小さくしなければいけません。「(福島県の)浜通りでは〜」ではなく、「浜通りの○○町で中華料理店を営んでいたAさんは〜」と。「Aさんが今こういう気持ちでいる」というファクトには、反論がないはずです。

 文法学習を現実問題に活かせる道を探っています。

(2017.9.18)