主語の選択で効果が変わる

『週刊東洋経済2017/10/07』の「学び直し国語力」より、さらに引用します。

 経営者などリーダー層向けのコーチングを手掛けるコーチ・エィの鈴木義幸社長は、「主語の使い方に細心の注意を払ってほしい」と言う。つい使いがちなのが、「会社は」「A事業は」「市場環境は」といった三人称の主語。これではまるで経営コンサルタントが意見を言っているようで、ひとごとのように聞こえる。リーダーとしての思いを伝えるときはできるだけ、一人称の主語「私」を使って、主体性と当事者意識を示そう。

 どの主語を使うかの選択で、相手に聞こえる印象が変わるわけです。

 部下に失敗を注意するなど厳しいことを伝えるときには、いっそう主語が重要だ。「あなたは」「君は」など二人称を多く使うと、上下関係を必要以上に強調し、聞き手の反発を招くことがある。まず「私は~と考える」と一人称でポイントを伝え、相手については「Bさんはどう思うか」と個人名で親しみを込めて呼びかける。こうすれば、相手は厳しい指摘にも耳を傾けやすい。

 一人称を主語にして主体性と当事者意識を示し、個人名を主語にすることで相手に受け入れ体制を作るわけです。
 子どもを叱らざる得ない教師としては、主語の選択に注意を払っていきたいものです。(あと500ページで、この考現学も10000ページとなります。)

(2017.10.8)