外国人に分かりやすい日本語

「外国人に分かりやすい日本語とは」の授業展開です。

1)「外国人労働者数の推移」の棒グラフを提示する。
2)グラフのタイトル・出典・年度を確認した後、気付いたことを数人に発表させる。
3)・外国人労働者が増えていってる。
4)「なぜ外国人の労働者が増えているのでしょうか。」
5)・仕事がふえたから。 ・日本人が減っているから。
6)「年齢3区分別人口の割合の推移」の折れ線グラフを提示する。
7)・65歳以上が増えている。 ・64歳未満が減っている。
8)「日本は、少子高齢化社会へとなっているのです。」
9)【板書】外国人が増えることに対して、何をするといいか。
10)ノートに書かせて、数分後に列指名、挙手指名で発表させる。
11)・お話できるように外国語を日本人が学ぶ。 ・外国語の表札を用意する。
12)「北海道、9校あります。何の学校でしょうか。」
13)・外国語学校。 ・日本語学校。
14)「外国人が日本語を学ぶ日本語学校です。」
15)それぞれの地方に何校あるか紹介していく。
16)「『日本人の知らない日本語』という本があります。日本語学校の様子をマンガにしたものです。ある時、生徒の一人が腹痛で倒れ救急車で病院に運ばれました。そのとき、日本語学校の先生が付き添いました。」
17)(マンガを提示しながら、その時の様子を紹介する。)
18)医者「では通訳をお願いします。」 先生「ハイッ」
19)医者「どうされましたか?」   先生「どこが痛いですか?」←日本語
20)医者「ん?…何か心あたりは?」 先生「ダイアナさん朝、何を食べましたか?」
21)医者「ちょっと待って下さい。この方、日本語通じるんですか。」 先生「ハイ」
22)医者「じゃああなたいらないじゃないですか。私が直接話します」
23)しかし 医者「どうされましたか?」 ダイアナ「?」
24)医者「腹痛と伺いましたが心あたりは?」 ダイアナ「??」 全然通じない
25)「お医者さんの日本語は外国人のダイアナさんに通じなかったですが、日本語学校の先生の日本語は通じました。」
26)【板書】外国人にわかりやすい日本語とは?
27)ノートに書かせて、数分後に列指名、挙手指名で発表させる。
28)・具体的に話す。 ・熟語を使わない。 ・敬語を使わない。
29)上記の本から、「外国人にわかりやすい日本語」のコツを紹介する。
30)【板書】①「です」「ます」で話す。 ②漢語ではなく和語を使う。
     ③過度な敬語は使わない。 ④文章は短く。
31)「では、日本語学校では、どんな授業をしているかを見ていきましょう。」
32)先生「牛乳はよく飲みますか?」 生徒「はい、たまたま飲みます」
33)「どこか変な所はありませんか。」 ・たまたまが変。
34)先生「「たまたま」じゃなくて「たまに」ですね」
35)先生「「たまたま」は」 生徒「“偶然”という意味です」 先生「「たまに」は?」
36)生徒「それは時々…あれ?「時々」と「たまに」は違う?」
37)「「時々」と「たまに」はどう違うのですか。」 ・?。
38)【板書】(右の頻度の割合を書く。)
39)この後、マンガに載っている「うしろ」と「あと」の違いや、「うれしい」と「たのしい」、「ぜひ」と「絶対」の違いを扱っていく。
40)「ある時、日本語学校の外国人の生徒が「バイト先の日本人に尊敬語を教えてと言われた」そうです。」
41)【板書】日本人の知らない日本語(「の」に斜線を引いて「が」にする。)
42)「日本人の知らない日本語が、日本人が知らない日本語にならないように、これからも日本語を勉強していきましょう。」

 日本に生まれ育っていれば、習っていなくても、自然と文法感覚が身についていきます。それに対して、海外から来た人たちは、基礎から日本語を学んで、理屈として日本語を身につけていくのです。

(2017.11.22)