フランス料理をおごろう!

 プールが終わって、子ども達が「お昼ご飯、おごってぇ~!」と、言ってきた。
 もちろん、おごってもらえるなんて、子ども達は思っていないだろう。
 しかし、私は次のように答えてみた。
「いいよ。」
 私としても、本気でおごるつもりはない。
「どうせなら、フランス料理食べに行こか。」
 ごうかなことを宣言する。もちろん、おごるつもりはない。
「よし、飛行機乗って、フランス行こうか。」
 ほらも、大きく言えば、ウソだとわかる。
「でも、飛行機代ぐらいは、君たちで出してな。」
 このパターンは、「お金ちょうだい」でも、使える。
「いいよ。どうせだから、100億円ぐらいあげようか。今からあげるから、100億円入るバック持ってきてね。」
 一休さんのとんち話で似たようなのがある。
「びょうぶの虎をつかまえてほしい」と頼まれた一休さんは、虎をしばるロープを持って、構える。「さあ、つかまえますから、虎をびょうぶから追い出してください。」無理な要求をまず受け入れ、こちらも無理な要求をするわけだ。

(1998.7.31)