無意識を動かす学級指導を

 橋川硬児・石井裕之『強いリーダーはチームの無意識を動かす』(ヴォイス2004.10)には、学級指導で効果が発揮できそうな方法がいくつも載っています。

 大切なメッセージは、言ってしまってはダメです。
 口に出して言ったことに対しては、何らかの反発を受ける余地があるからです。
 言っていないことに対しては、反発しようがありません。
 だから、《前提》として散りばめるのです。

 例えば、「計算力を鍛えるために、これから百マス計算をしていきます」と宣言した時に、百マス計算をすることには反発があったとしても、「計算力を鍛える必要がある」という前提は、直接言っていないので反発されないわけです。
 前提をさらに見えなくさせるのが、ダブル・バインドの技法です。

「海外との取引も増えてきているし、キミにも英語くらいできるようになってほしいんだが、あれかね、グループのレッスンの方がいいかい?それとも、マンツーマンの個人教師の方がキミに合っているかな?」

選択を迫ることで、英語を勉強するという前提が隠されているのです。
「百問わり算のタイムがまだまだなので、2学期も続けてやります。それで、どうだろう、宿題にした方がいい、学校でやる方がいい?」
 宿題より学校でやる方がいいと、子どもは思うでしょうね。

(2009.7.9)