1年間の授業を米作りに例える

 1年間を通して学習能力を伸ばす授業の組み立て方を米作りに例えることができます。
 4月。なえを育てます。この時、温室で育てます。快適な環境の中で、田んぼに植えるためのなえを丁寧に育てるのです。
 これは、マルチ発問を中心とした授業展開と似ています。
 マルチ発問では、答えが多様にあり、誰でもが正解できます。子どもたち同士がお互いの解を認め合う、あたたかな授業展開となります。
 5月。田おこしと代掻きをします。冬のあいだにかたくなった土をくだいて、肥料をまぜ、水をはって土を平らにします。
 前学級まで築かれていた、できる子・できない子の関係を新学級の授業の中で、くだいていくのです。みんなできる子と思わせていくのです。
 これもマルチ発問を中心とした授業で可能です。
 さらに、教えるべきことを教師が教えていきます。原稿用紙の使い方であったり、音読の仕方であったり、説明文の問いと答えを見つける方法であったり。これが、子どもにとっての肥料となるのです。
 この後、田植え、中ぼし、農薬散布、稲刈り・脱穀と続きます。
 これらの過程のたとえは、いずれまた。

(2009.7.20)