歴史を教える目的とは

 授業には、教科によって、目的が微妙に違うかもしれません。
 例えば、算数なら、「できないことができるようになる」「計算や作図に習熟する」などの目的があります。一方、国語であれば、「言葉をよりどころにしながら文章に触れる」「漢字や語句の使い方を覚える」などの目的があります。
 では、社会の歴史には、どのような目的があるのでしょうか。

①現代に至るまでの歴史の流れをおおまかにつかむ。
②人の思いや行動が歴史を作ってきたことに気付く。
③歴史上の大きな事件や人物についての知識を身に付ける。

 ①は、現代に生きる自分が、どんな歴史の流れの中で存在するのかを知るということです。さらに、今の時代に果たす自分の役割を感じるべきなのかもしれません。自分がこれからの歴史にどう関わっていくのかです。
 ②は、歴史が決められたレールの沿って動いてきたのではなく、多くの人の思いや行動によって形作られていったことを気付くことです。すなわち、これからの歴史も自分たちの思いや行動によって形作られていくのです。
 ③は、現代に生きる者としての共通認識をもつということです。現代までにどんなことがあったのかを人類全体が共通認識を持つ。とりあえず、日本人として、日本の歴史に対する共通認識を持つわけです。

(2007.9.3)