最高の傑作

「動物の体」の最終段落は、3つの文で出来ています。

 環境に適応しながら生活を営んでいるのは、これまでに挙げたような動物に限らない。動物たちの体は、それぞれに、すんでいる場所の気候や風土に合うようにできているのである。それは、自然が長い年月をかけて作りあげてきた、最高のけっさくであるといえるだろう。

『3つの文で、一番大切な文はどれですか?』 
ということで、子ども達に一文選ばせ、その理由も書かせました。
 子ども達の多くは、2番か3番かを選びました。
 3番を選ぶ子は、「最後の文だから」という理由と、「最高のけっさくと書いてあるから」という理由に分かれることでしょう。
「最高のけっさく」というのは、確かに格好良い言葉です。しかし、かっこいいだけであって、中味は何もありません。どこがどう傑作なのか、と聞かれたら、2文目の文で答えるしかありません。
 なぜ、2番が一番大切なのか、ではなくて、なぜ3番の文が一番ではいけないかを考えさせる方が、面白そうです。

(2002.7.9)