きまった筆順がなぜ必要なのでしょうか。
江守賢治『漢字筆順ハンドブック』(三省堂)1980.2.20には、次のように書かれています。
漢字を書く場合、どこから書き始めようと、どんな順序で書いていこうと、出来上がった字がその形になっていればそれでよいではないかという、たいへん乱暴な考えがある。
しかし、いわゆる筆順は、長い間の筆写によってだんだん固まってきた順序である。従って、これらの筆順どおりに書けば筆の運びが自然で整った美しい字の形に書くことができる。(太字:荒井)
「筆順は、たいへん合理的にできている。」と江守氏は書いています。
大きな原則は、次の2つです。
(1)上の方から下の方へ書いていく。
(2)左の方から右の方へ書いていく。
(1)と(2)の原則を組み合わせたものが、原則3です。
(3)左上から書き始めて右下で書きおさめる。
そのほかとして、あと3つの小原則があります。
(4)まず中心をとって書く。
(5)αのように手の動きにあった順序で書く。
(6)つらぬく長い画を最後に書く。
例をあげてみます。
(1)三・常・算
(2)川・林・樹・組
(3)日・習・漢
(4)水・小
(5)文・父・右
(6)十・事・母・冊
出会う漢字がどこの原則に当てはまるのかを考えていくのも面白そうです。
原則が大きく離れなければ、筆順も大きく間違えないでしょうね。
(2003.7.17)