脳のなかに道具を作る

 川島隆太・川島英子『音読と計算で子供の脳は育つ』(二見書房)2003.6.25の中で、川島氏は「勉強をする理由」を2つ書いています。

 勉強をする理由のひとつめは、その本人が生きていくうえで「いつかかならず必要になる道具をつくる」ということです。これは、その個人にとって絶対的なものです。
 たとえば、家を建てるときには金づちや釘などが必要です。子供たちは、いまそのような道具を、脳のなかにつくっているのです。ものごとを解決し、自分の道を切りひらいていくときに必要になる道具をつくる──これがいま勉強することの意味なのです。
 しかも、この道具をつくるという作業は、自分自身にしかできません。親も道具をつくってやることはできませんし、先生にもできません。自分が勉強することで脳をいっぱいはたらかせ、それを何度も繰り返すことでしか、脳のなかに道具をつくることはできないのです。

 もう一つの理由は、学んで子孫に伝えていく、ということです。
 脳のなかに使える道具を作る、というのがなるほどそうだなと思います。

(2003.7.21)