岡山の新向山型授業作りセミナーに参加してきました。(今、帰りの新幹線の中です。)
今回の講座で一番印象に残っているのは、「開始15秒のつかみ」という講座です。この講座は、参加者がその場で立候補して、授業開始の15秒~30秒ほどの授業をやってみるのです。それについて、講師の先生が介入したり、指導してくれたりします。
授業の教材は、午前中に配られていました。国語・算数・理科・社会など、教科書のいろいろなところがコピーされています。
昼休み、店でお好み焼きを食べながら、授業案を考えました。
選んだのは、まど・みちおのきりん、という詩です。
この詩を開始15秒で、参加者をまきこんで授業をするのです。
最初に考えたプランは、次の通りです。
「キリンという詩は、とってもへんな詩なんです。」
「先生のあとについて、読んでみましょう。」
追い読みのあと、
「へんなところを見つけた人?」
「すごいなぁ。」
へんなのは、「足が あるくよ」という表現や「顔」という表現です。
これを正しい表現に直したり、作者の意図を考えたりしながら、何回もこの詩を読ませたいな、と考えたのです。
さて、講座が始まりました。
ちょっとひるんで、一人目に立候補はできませんでした。
一人目が算数の授業をしました。
テキストを開かせるところから始まったので、それに対して、井上好文先生が「作業指示から入ると良い」ということを言いました。
そこで、私も作業指示から入ることにしたのです。
「キリンとノートに書きましょう。」
「書けたら書けました。」
「もうテキストを開いている人もいる、えらいなぁ。」
この後は、さっき考えていた展開でやりました。
自分では結構うまくやれたと思ってました。
でも、井上先生からは、次のような指導をされました。全くその通りです。
①15秒しかないのですから、本論から入っていく。
(教師「きりん」参加者「きりん」教師「きりんをごらん」参加者「きりん をごらん」というように、いきなり追い読みを始めたらいいのです。)
②右の方の参加者を見ていない。チラッと見ることが大切。
③追い読みを参加者にしてもらう時、マイクを参加者に向ける。
授業は3回ほどやり直しとなりました。
15秒のやり直しですから、短いものです。
それでも、私の授業のやり方が変化したらしく、
「ね、うまくなったでしょ。」
と、井上先生が参加者に聞くと、多くの人が肯いていたのです。
短い時間でしたが、その場で具体的に指導してもらうと、自分の立ち振る舞いの何がわるくて、何がよいのかよく分かりました。
本来なら、こういう授業の教え方みたいなものを教員養成大学で教えてもらって当然なのです。
こういう講座があれば、また立候補してみようと思っています。
(2005.7.9)