あの水戸黄門で有名な徳川光圀でさえ、若い頃は友だちに誘われて、非人を試し斬りしています。戦国時代の荒々しさから、まだ抜け出ていない武士たちだったのです。
「切り捨て御免をするような武士の荒々しい気風が、ある人の出した法律によって、弱められていきました。
誰の出した、何という法律でしょうか。」
年表を見せながら考えさせます。
名前だけ当てても、法律だけ当ててもいいことにします。
正解は、五代将軍・徳川綱吉の出した「生類憐れみの令」です。
悪法と言われた「生類憐れみの令」ですが、この法律の前後で、武士の気風が変わっていきました。武断政治の時代から、文治政治の時代へ、意識の上でも変わったわけです。(文治政治は、4代将軍から始められたのですが、意識はまだまだだったのです。)「武力を用いないで、教化または法によって世を治める政治のあり方」が文治政治です。武断が当たり前の世界から、文治の世界に変えていくというのは、簡単にできることではありません。それを達成した徳川綱吉は、聖徳太子以上の政治家だと、井沢氏は言っているのです。
授業として成立させるには、生類憐れみの令の中味にも入っていく必要があるでしょうね。
(2006.7.19)