長く書かせる

 長く書かせるためには、手順が必要です。

《ねらい》 原稿用紙に5枚10枚と書かせるようになることで、「作文は得意だ」と子ども本人に思わせることができます。
《すすめ方 長く書ける手だてを与えていく》
2年生なら原稿用紙2枚書ければ、合格ラインです。
 そのことを子どもに告げておきます。
「原稿用紙2枚書けて2年生合格。1枚なら1年生。6枚なら6年生です。」
 こういう基準を宣言しておくことで、
「山田くんは8枚も作文を書きました。中学2年生レベルですね。」
というようにほめることができます。
 子どもの中に、(長く書けば長く書くほどいいんだ)という意識が生まれます。
 次に、アウトラインを示して多く書けるように指導していきます。
「運動会で楽しかったことは□つあります。
 1つ目は、大玉ころがしです。大玉をころがす時、まっすぐころがせなくて、とってもむずかしかったです。
 2つ目は、…。」
 □の中は、作文が書き終わった最後に入れさせます。
「□に大きな数字が書けるのがいい」と言っておけば、子どもたちはたくさんのことを書こうとがんばります。
 やがて、1つ1つの項目を詳しく書くようにしていけば、長い長い作文を書かせることができるのです。
 1つの内容を詳しく書かせる指導もします。
 子どもの前で、教師が手をたたいたり歩いたりと小さな動きを見せます。それを作文に書かせるのです。
「先生が手をたたいて、歩きました。」
 これを長く書かせるのです。
「先生が私たちの方を見て、にっこりとわらって、大きな音を立てて、パンパンと手をたたきました。それから、教室のうしろの方に向かって、ゆっくりと歩いていきました。先生のくつの音がコツコツと教室中にひびきました。先生の歩き方はかっこいいなぁ、と私は思いました。」
 短い文を長い文に変身させることで、長く書ける手だてを学んでいけるのです。
《成功のポイント まずは短い作文から》
短い作文を何日も何ヶ月も書かせた後に、長い作文の指導をすると効果的です。
《こんな場合は どうしても長く書けない子には》
クラスのほとんどが5枚10枚と書くようになれば、長く書けない子も2枚程度は書けるようになります。2年生なら2枚書ければ十分なのです。

(2006.7.28)