短歌の授業

 学校図書6年国語に「短歌と俳句」という教材文があります。
 教科書は最初開かせず、教科書に載っていた短歌を1つコピーしたのを配りました。そして、ノートに貼らせ、読ませたのです。

 春過ぎて夏きたるらし白たへの衣ほしたり天の香具山

「読めない字はとばしていいですから、3回読んだらすわります。起立。」
 全員がすわったあと、列指名で2列当てて読ませていきました。
 正しく読めていた子が1人だけいました。
 短歌との最初の出会いです。予備知識なしに短歌に触れさせたかったのです。「季節はいつでしょう。」
 1人以外、全員が夏としました。「春過ぎて夏きた」とありますから。
 この後、教科書に書かれている、この句の説明を連れ読みして、読みました。
 それから、教科書の教材文の最初に入ります。

   短歌と俳句               佐佐木 幸綱
 短歌と俳句は、日本の伝統的な詩です。短歌は、五・七・五・七・七、合計三十一拍、俳句は、五・七・五、合計十七拍が原則です。

「今日は短歌を学習するので、短歌のところだけ読んでいきます。」
 短歌のところだけ、連れ読みしていきました。
「短歌、佐佐木幸綱。」「短歌、佐佐木幸綱。」
「短歌は、日本の伝統的な詩です。」「短歌は、日本の伝統的な詩です。」
「短歌は、五・七・五・七・七、合計三十一拍が原則です。」
「短歌は、五・七・五・七・七、合計三十一拍が原則です。」
というように、短歌だけ抜き出して連れ読みしていったのです。
 一人読みや、○交代読みも、そのように読ませました。
 短歌と俳句を同時に教えるより、1つずつ分けて教える方が混乱がないと考えたからです。

板書:短歌
   漢詩…中国の詩
   和歌…日本の詩
    長歌
    短歌 五・七・五・七・七

 漢詩に対しての和歌、和歌の中の1つが短歌なのです。
 なお短歌から、上の句と下の句を交代で詠み合う連歌が生まれ、連歌の発句を独立させたのが俳句なのです。
 この後、教科書の短歌が五・七・五・七・七になっているかを読みながら確認させていきました。
 最後に、これも教科書にあった「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日のおかに」を授業しました。
 作者の目に映っているものを書かせ、銀杏の木が何本あるか考えさせ、夕日は見えているか見えていないかを検討させました。
 言葉を根拠にしながら、言葉にこだわるのは楽しいです。

(2007.7.14)