3年国語「海の光」で、主人公の心情が変化する出来事・クライマックスを読んでいきます。
おじいちゃんは、海の水をすくった。
「ふみや。ほれっ。」
「えっ?ああっ!おじいちゃんの手、光ってる!」
「夜光虫だ。こんなに小さな虫でも、生まれてきたことがうれしくってうれしくって、一生けん命光ってるだろ。」
「うわー、おじいちゃん。あっちにこもこっちにも、いっぱいだね。」
「……きと、どんな命にも、生まれた時からこんな光がある。だからな、ふみや。どうでもいいものなんて、どこにも一つもないんだよ。」
ぼくはだまって、手のひらの光を見つめていた。
ふみやが変わるきっかけとなる出来事です。
ここは細かく言葉を検討するのではなく、大事だなと思ったところに線を引かせ、そこを発表させなぜそこを大事だと思ったのかを言わせていこうと思います。
ふみやが「どうでもいいもの」と言っていたのは、何だったかの確認は必要でしょう。「一生けん命」の中に「命」があることに気付かせたいところです。
強い風が、重たい雲をつれてきた。
「あらしが来るかもしれん。さあ、いそごう。」
ぼくとおじいちゃんで、さつまいものなえをつぎつぎと植えた。
「これでよしっ。さて、来年は、すいかにでもちょうせんしてみるかな。」
それからしばらくたった日の夜中、おじいちゃんがとび起きた。
「まさか、こんなあらしになるなんて。」
おじいちゃんがカッパをつかんでとび出していく。
「まって、ぼくも!」
まっくらな畑で、おじいちゃんの電灯だけが、あの海の光みたいにゆれていた。
ここでは、ふみやの変化(成長)を読み取らせたい。
一番の変化は、畑の作物を心配して、ふみやも畑に飛び出していくところです。
「どうでもいいや」とは、対照的な行動となります。
朝、畑に出ると、葉っぱがたくさんちらばっていた。
トマトはたおれそうになりながら、それでもちゃんと実をのこしていた。
「ふみや、見てみろ。この根っこ。半分とばされかけていても、しっかりと土をつかんでふんばってるぞ。」
「本当だ。あんなに強い風だったのに、よくがんばったね。」
「ああ、一生けん命よくやった。」
トマトの根っこに、ぼくたちはそっと土をもった。
「よくがんばったね」の言葉に、ふみやの成長が大きく読み取れます。
(2007.7.16)