井沢元彦『逆説の日本史17 アイヌ民族と幕府崩壊の謎』(小学館2011.2)を読んでます。
もともと日本には、縄文人が住み、狩猟・採集によって生活していました。
そこへ、稲作文化を持った弥生人が現れ、たぶん、戦いの末に、縄文人は北へ北へ追われていったのでしょう。
ただ、すべての縄文人が逃れていったわけでもないのです。
やはり、狩猟・採集する人も社会には必要なのです。動物の毛皮などは、狩猟があるからこそ出来てくる副産物です。
弥生人は、狩猟をしないので、血に触れることがない。
一方、縄文人は、動物を狩り、毛皮をはがすなどをすることで、血に触れる機会が多くなる。弥生人は、血に触れることを穢れと感じ、それが縄文人への差別とつながるわけです。
部落差別も、ここから生まれています。
アイヌ人も狩猟によって生きてきました。
大和朝廷から続く弥生人を祖先とする人々は、それゆえにアイヌ人を差別していくわけです。
穢れを嫌うことが差別を生む、それが根深く、今も残っているように思います。
(2011.7.23)