大造じいさんと起承転結

「大造じいさんとがん」の起承転結を考えてみます。

 大造じいさんは、このぬま地をかり場にしていましたが、いつごろからか、この残雪が来るようになってから、一羽のがんも手に入れることができなくなったので、いまいましく思っていました。

 ここが起の終わりだと考えます。東書でいえば、9行で終わりです。
 この起には補足が必要で、
「いまいましく思っていた大造じいさんは、どうしたいと思っていましたか。」を問い、
「残雪を出し抜いて、がんを捕ってやるぞ。」みたいな大造じいさんの願いが導き出されば、OKです。
 結は、「大造じいさんが傷ついた残雪を介抱し、その残雪を逃がして、次の戦いを宣言する」ところです。
 いまいましく思っていた相手を介抱し逃がし戦いを宣言するのは、大きな変化です。
 当然、転は、残雪が仲間のがんを助けにいくところでしょう。
 これまでは知恵の働く鳥だとは思っていたのが、残雪の勇気・威厳みたいなものをこのときに感じるからこそ、結が生まれるのでしょう。

(2012.7.26)