昨日、図書館で、平成23~26年度版の光村の国語教科書を5年と6年を1冊ずつ借りてきました。光村は、上下ではなく、高学年は学年で1冊です。
272頁ある巻末に近い242~243頁は「俳句を作ろう」が見開きであります。 巻末にある白黒で付録のような感じの頁なので、多くの教師はここを教えない可能性が高いです。
俳句を作る手順として次の5つが挙げられてます。
1)題材を決めよう。
2)まずは、一文で表してみよう。
3)五・七・五のリズムで表してみよう。
4)作った俳句を吟味しよう。
5)言葉が決まったら、文字にもこだわろう。
この中の④に、○が2つあり、1つ目が「○言葉の順序を工夫してみよう。」2つ目の○が次のように書かれています。
○「は」「が」「も」「を」「へ」「に」などの使い方をていねいに考えよう。
一文字のちがいでも、全体の意味が変化します。よく考えて、自分の伝えたい ことにぴったり合うものを使いましょう。
その例として紹介されてるのが、次の2つの俳句なのです。
米洗ふ前に蛍が二つ三つ
米洗ふ前を蛍が二つ三つ
この二つの俳句は、「に」と「を」が違うだけです。
この一文字のちがいで、全体の意味がどう変化するかは、教科書には書かれていません。(指導書には書かれてるかもしれませんが、持っていません。)
どちらの句も、蛍(正確には蛍の光)は前にいます。
とは、言えません。前「に」だから「います」であり、前「を」だったら「います」は使えません。
「前を」であれば、洗う人の前を飛んでいます、としか表現できないのです。
「に」は静を表し、「を」は動を表すわけです。
ただ、この句は2つ並んでるから、その違いが分かります。
もし、1つの句だけを提示されたら、「に」や「を」の一文字にこだわることなく、読み飛ばしていくのではないでしょうか。
例えば、「二つ三つ」がそうです。次のよう並べたら、どうでしょう。
米洗ふ前を蛍が二つ三つ
米洗ふ前を蛍が二三匹
「二匹三匹」では五音にならないので、「二三匹」としました。
こうして並べることで、蛍を数で数えてるおかしさに気付きます。
物語教材の本文でも、このことが実行できるわけです。
(2014.7.22)