言葉は並べることで気付ける②

 例えば、5年国語の「大造じいさんとがん」(東京書籍版)です。

(原文)東の空が真っ赤に燃えて、朝が来ました。
( A )東の空が真っ赤に燃えて、朝は来ました。
( B )東の空は真っ赤に燃えて、朝は来ました。
( C )東の空は真っ赤になり、朝は来ました。

 Cが事実を述べただけの文です。「は」が「が」になることで、東の空や朝が強調されています。大造じいさんの強い思いが文面に反映されてるのです。

(原文)大造じいさんは、ぐっと、じゅうをかたに当てて、残雪をねらいました。
    が、何と思ったか、また、じゅうを下ろしてしまいました。
( A )大造じいさんは、じゅうをかたに当てて、残雪をねらいました。
   が、何と思ったか、また、じゅうを下ろしてしまいました。
( A )大造じいさんは、じゅうをかたに当てて、残雪をねらいました。
   が、何と思ったか、また、じゅうを下ろしました。

「ぐっと」があることで、大造じいさんの「撃つぞ」という気持ちが読み取れます。また「~していまいました」で、それが意外な行動であることを強調しています。大造じいさんのじゅうを下ろす行為は、普通ならありえないことだともいってるわけです。

(2014.7.23)