成金と第1次世界大戦②

「くつをさがす成金」の絵は、昔の資料集に載っていました。
 この資料とあわせて、昔の教科書も配りました。戦争によって、貿易額が伸びたことが分かります。

 1914年(大正3年)、ヨーロッパをおもな戦場として、第1次世界大戦がおこりました。日本もこの戦争に加わり、中国などに勢力をのばそうとしました。
 ヨーロッパの国々が戦争に追われるようになると、日本は、ヨーロッパやアジアへの輸出を大きくのばしました。このため、鉄鋼や化学などの重工業も発展し、工場の動力源も蒸気から電気に変わりました。また、今までのランプにかわって、電灯を使う家庭もふえてきました。(以下略:荒井)

 この後、人々のくらしはよくなったか悪くなったかを聞きました。
 よくなったとする子が11人。悪くなったとする子が27人。
 よくなったという理由は、純粋に輸出量が増えたことや儲かったことからあげています。
 悪くなった理由として、物のねだんが上がって生活が苦しくなった、というのがあがりました。
 昔の教科書のコピーにそのことのが載っているので、先に読んだのでしょう。
「どうして好景気になると、物のねだんが上がるの?」と、上記の理由を言ったことに問い返しました。
「物が高いねだんでも売れるようになるから。」
 そう、その通りです。
 第1次世界大戦によっておこった好景気で、物のねだんが上がる。そのため、人々の生活が苦しくなる。物のねだんが上がるから、米商人が米を安い内に買い占めてねだんが高騰するのを待つ。そのため、米騒動が起こったのです。
 米騒動をきっかけに、労働組合や農民組合が生まれ、自由と権利の拡大を求める。それを受けて、法律が成立するのです。

1925年 25才以上の男子に選挙権(アメ)
    治安維持法(ムチ)

 いい法律と一緒に、政府に都合のいい法律も出されることを語りました。
「それは今も変わらないから、気をつけないといけないね。」

(2007.11.20)