大正から昭和の歴史の流れが今ひとつ分かっていませんでした。でも、ある本の記述を読んで、なるほどな、と納得しました。
以下に引用を載せますが、どんなジャンルの本に載っていたか推理して下さい。
背景としては日本は景気も上り調子の、いい時代でした。第一次世界大戦で日本はうまくやったのです。世界中が戦争している中、日本だけは直接には参加しなかったのです。戦争には莫大な量の兵器・武器が要る。ところが戦争当事国は、それを消費するばかりで製造しているヒマがない。そこで、戦争をしていない国から買い入れるでしょう。なおかつ優秀な武器を造れる国といったら日本しかなかったじゃない。
また、日本は戦艦などを造るための鉄鋼や燃料などを売って儲けました。そうやって、要は工場をどんどん建てて、日清・日露まで中心だった軽工業に取って代わった重工業を中心に、飛躍的に進歩したわけですよ。
しかも大国が自国の戦争に気をとられているうちに、日本は大陸に侵出する。その大陸には資源がいっぱいあった。そこに工場を建て、植民地ですから現地の人間をただ同然で使って、どんどん拡大していった。今でいえば一種のバブルですよ。そして、日本は世界トップの国になった。
ところが昭和になって、戦争が終わったら一転、バブルがはじける。戦争が終わったんだから、これまで売れに売れていた製品が売れなくなるでしょう。当たり前の理屈じゃない。
物が余る。となれば、工場を閉鎖します。労働者はクビ、失業者が巷に流れる。すると、みんなが仕事を求めるから、みんなが安い賃金で朝から晩までこき使われる。文句を言えばクビになる、という時代になってきたわけでしょう。それに世界恐慌が追い打ちをかけたのですよ。こうして昭和時代が始まるのです。
失業者があふれれば、政府に対する不満も出てきます。その不満のはけ口を解消するため(気をそらすため)に、対外戦争へと突き進んでいったのでしょう。
歴史の流れも、論理的に見ていくと、つながりがよく分かります。
原因があって、結果があり、その結果が次の原因となるわけです。
さて、何のジャンルの本か推理できましたか。
書名は『早わかり文学史』です。受験書の出版物です。語学春秋社から現代文講師の出口汪氏が出しています。
最近、出口汪氏の本を次々と読んでいっています。読んでいると、自分が賢くなっていくように感じられるからです。
研究会の講師をした時に、私の場合、どうしても模擬授業中心になります。お話だけで、1時間もたせることができないのです。自分の教養を豊かにし、論理的に話ができるようになりたい。そう思っています。
来年の目標が、そろそろ決まりかけてきました。
(2007.12.25)