基本的人権とは

 日本国憲法3つの柱は、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」です。この中で、子どもに分からないのは「基本的人権」です。
 それを教えるのに、信号機の値段を聞くところから授業を始めました。

・信号機…約140~220万円(信号灯48万円、柱17万円、工事費80万円)
・ガードレール…6mで7万6000円(1部破損でも6m分取り替え)
・案内標識…約300万円(小さいのは約100万円)
・カーブミラー…18万円
・監視用カメラ…500~700万円

 交通事故で信号機を壊すと、事故を起こした人が弁償しないといけません。
このようにお金のかかっている信号機ですが、それを使うのに、お金を払ったりしません。
「信号機のようにタダで利用できるものを見つけましょう。」
 5つで持ってこさせました。

・歩道橋(田中)        ・学校のバスケットゴール(高島)
・つうがくろ(桂)→「これは当たり前だと思う人?当たり前じゃないと思う人?」
→通学路は舗装されている。お金をかけて造られている。
・エスカレーター(阿河)    ・エレベーター(中野)
・学校のボール(糸井)→「自分でボール買ったことある人?」1400円、5000円。
・トンネル(舩倉)       ・学校の机・いす(藤本)      ・信号機(小島)
・よど川(大杉)→「これは当たり前だと思う人?当たり前じゃないと思う人?」
→川が氾濫しないように護岸工事がされ、河川敷が造られたりしている。
・本のたち読み(久田)     ・子供子育てプラザ(上田)
・ヨットハーバー(神谷)    ・グラウンド(三宅)        ・いす(中)
・公園などのトイレ(浮島)→中国ではお金をとられる。        ・海(小西)
・自転車おき場(荒田)→有料の方が多い。              ・橋(山本)
・コンビニエンスストア(奥原)→「何が?」トイレ・お湯。サービス。
・レストランとかの水(平瀬)  ・友だちの家(古川)        ・遊具(石田)
・学校の電気代(宮田)     ・横断歩道(乾)

 板書の発表の前に、黒板に書かなかった子を立たせました。
「全部の発表が終わったら、黒板にないものを発表してもらいます。」
 それでも言えない子には、私が教室の窓や教科書を指さして、教室にあるタダで利用しているものを示しました。最後に立っている子には、私自身の指さしました。
「先生?」「先生はタダではないですが、授業料はタダです。」
 この後、「健康的で文化的な生活を営む権利」と「税金をおさめる義務」についておさえました。

(2008.2.1)