「わらぐつの中の神様」の授業での次の発問は、実践としては有名である。
「大工さんがおみつさんを好きになったのは、いつですか。」
一日目を選ぶ子が多いが、出会う前・二日目・三日目の意見も数人いる。
出会う前の意見の中で、
「出会う前から好きじゃなかったら、不格好なわらぐつを買うわけがない。」
というもの。
一通り発言が終わったところで、上記の意見だけを検討させた。
すると、作品の主題に迫るような反対意見が出されたのである。
「大工さんは、そのわらぐつが使う人の身になって、使いやすく、じょうぶで長 もちするように作ってあるのに気づいたから買った。」
「大工さんはすぐ買ったんじゃなくて、わらぐつをよく見て、上から先まで、す き間なく、きっちりと編みこまれてるのを見てから買っている。」
出会う前の上記の意見は、外見で判断すれば普通買わない、と言っていることと、ほぼ同義である。一方、それに反対する意見は、大工さんが外見ではなく、中身を見て買ったことを示唆している。
意見は、一部の子で盛り上がった。時間があれば、発言してない子にもノートに最終意見を書かせるべきでした。
(2009.10.21)