主役はどちらかで3時間討論

「大造じいさんと残雪ではどちらが主役か」について、3回に渡り、討論を続けてきた。
 どちらが主役かの理由は、1枚の紙に印刷し、ノートに貼らせている。
 理由の内の1つを取り上げ、それについて賛成か反対かを話し合わせ、決着をつけてから、次の理由に取りかかってきた。
 1つの理由についての討論だけで、20~30分かかるときもあるので、話し合いが3時間に渡るわけである。(授業の最初に音読の時間は取っているが。)
 これまでの討論は、簡単に言えば、言いっぱなしのものであった。
 それは、1,2学期には大事なことだ。1つ1つの意見の正否を判定しながら討論を進めていくと、意見を言えなくなる子が出てくるからである。
 3学期の今の時期だから、1つ1つの意見の正当性を討論で決着させることができる。
 1つめの理由で検討したことは、「題名に載っているから主役となるか」である。「「わらぐつの中の神様」は題名に神様があるけど、主役じゃない」という意見が子どもから出た。
 2つめは「たくさん活躍していれば主役となるか」である。これはなるといえるが、誰がたくさん活躍しているかを検討しなければ、結局、誰が主役かは決まらないことが分かった。
 その他の理由の多くは、根拠薄弱ということになった。
 こういう反対意見をメインにした討論となると、1時間の中に1回も発言しない子も出てくる。それは仕方がないことだが、その現状をよしとするわけにもいかない。
「1回も発言しない人は、ノート1ページ分、自分の意見を書いてもらおうかな。」 伴先生に教えてもらった方法である。
 そして、実際にノート1ページ分、書かせた。(残してでも書かせたのである。)
 もちろん討論の中では、1回目の子が発言しやすいように、立って数人いた場合、1回目を優先とした。
 それはさておき、結局、3時間かけても、どちらが主役であるかの決着はつかなかった。
 子どものノートには、大造じいさんの視点について書いていた子もいたが、その子はその意見を出さなかった。(指名してもよかったが、今、決着をつけなくてもいいようにも思えたので指名しなかった。)
 今後は、どちらが主役であるかを検証していくような授業展開をしていこうと思っている。
 私としては、最初と最後で心情が変化している大造じいさんが主役だと考えている。大造じいさんを変化させた残雪が主役という考え方もできはするが。

(2010.2.27)