情景描写の文が心情を表す

 国語で「大造じいさんとガン」の学習に入ったのが2月1日です。
 さすがに「飽きてきた」と言い出す子が出てきました。
 とはいうものの、実際の授業時間はそれほどしてません。習字や図書もあり、週に3,4回しかできないことが多く、さらに診断で数時間とりました。
 いつものように、最初に一人で音読を立って練習する時間をとり、5分程度でとめ、今までに何回全文読めたかを聞くと、3人の子が10回読めていました。
 第1場面を一文交代で読ませると、音読がとてもうまくなっていました。
 やはり、量は質に転化するということでしょう。
 第1場面の作戦名・準備物・結果・大造じいさんの反応を確認した後、次の文を視写させました。

 秋の日が、美しくかがやいています。

 情景描写の文です。 気付いたことを数人に言わせました。
「夕焼けかな。」という意見が出ると、「昼ごろだよ。」と反論も出ました。
 前日は昼ごろ、翌日の同じ時刻にと書いてあるので、確かに昼ごろです。
 ただ、この情景描写の文が大造じいさんの心情を表現していることについては、子どもたちからは出ませんでした。
 出ないと思ったので、あえて扱ったのです。
 大造じいさんの希望に満ちた心情を表している文なのです。
「他にも、同じような文章がないかな?」
と聞くと、子どもたちは全文からサッと探してきます。

「さあ、いよいよ、戦とう開始だ。」
 東の空が真っ赤にもえて、朝が来ました。

  例えば、上記の文なら、大造じいさんの闘志を表しています。
「作者は、情景描写の文に登場人物の心情を込めることがあるのです。」
 さらに、
「このことから、大造じいさんを主役としているとも言えるのです。」
 ただ、これも一つの証拠にすぎないとも言っておきました。
「残雪が主役だと思う人は、残雪の心情を表しているような情景描写の文を探してくるといいのです。」
 どっちが主役だ、という結論はまだ出さないで、授業を通して、大造じいさんが主役であることを子どもたちだけでは見つけられない角度から切り込んでいこうと考えています。
 今日の国語は、30分ほどで終えて、残りの時間でクラス会議をしました。
 昨日、地域子ども会のためにできなかったので、子どもたちが「クラス会議せえへんの」と要望していたからです。

(2010.3.4)