子どもと同じように、どの色が重要なのかの理由を書いてみます。
最も重要な色は、青である。
①題名が「海の命」とあり、海の色は青であるから。
②本文中に「海の命」は2回出てくる。1つめは「大魚はこの海の命だと思えた。」である。海の命だと思えた大魚は、瀬の主のクエのことであり、クエの目は青色だから。ひとみは黒色だが、瀬の主を太一が最初に見つけたときは、「青い宝石の目を見た」とあるから、黒いひとみより、青い目が重要である。
③青は他の色と比べて、さまざまな色を表している。まず海の色は青色である。クエの目も青色である。冷静である太一の「冷静」には、青という字が含まれている。「冷静」な太一と「おだやかな」クエの青い目が、同質のものとして書かれている。静かな心が海の命を永遠のもととする象徴として、青色が出されている。
④漁師たちが見たクエの目は、緑色であった。これはクエが興奮していたゆえだと思う。興奮よりもおだやかであることの方が、海の恵みを表し、青こそが海の恵みを象徴している。
⑤もし海が緑色になれば、それはヘドロにおおわれた海のようであり、黒であれば汚れた海を表している、銀は光の当たっている水面だけを表しており、海の命、海の恵みである魚介類は、青い海の中にいるから。
(2010.11.30)