「海の命」を起承転結で

 11月25日が、東住吉区国語部の研究授業の日となります。
 今回、「海の命」を起承転結をメインにして授業しようかと考えてます。
「ウサギとカメ」「桃花片」で、起承転結の線を引かせて、評定してきました。
 でも「海の命」では、「転」がどこかを討論させてはと考えてます。

 追い求めているうちに、不意に夢は実現するものだ。

 村一番のもぐり漁師をだった父を破った瀬の主に出会えた瞬間です。ここを「転」と考えるのが、普通かもしれません。
 でも、私は次の箇所が「転」ではないかと考えるのです。

 水の中で太一はふっとほほえみ、口から銀のあぶくを出した。

 殺そうと思っていた瀬の主をこの瞬間、殺すことをやめたのです。
 太一の行動が大きく変化するところです。「ウサギとカメ」でいえば、後ろを振り返ったウサギが一休みを決めた場面に似ています。
 この「転」があるからこそ、「結」が変わるのです。

 やがて太一は村のむすめと結こんし、子供を四人育てた。

「結」には、太一とその家族が幸せにくらしたことが書かれています。
 もし「転」がなければ、太一は瀬の主を殺そうとし、その結果、自分の命を失っていたかもしれないからです。

(2011.11.3)