やまなしに影響を与える学び

 子どもたちが学習した宮沢賢治の作品は、次の通りです。

①「雨ニモ負ケズ」…4年名文音読して扱う。
         …宮沢賢治の没後(1933年)に発見された遺作メモ。
②「注文の多い料理店」…5年、投げ込み教材として扱う。
           …1924年に、短編集として出版される。
③「永訣の朝」…6年3学期に名文音読として扱う予定。
       …1924年刊行の『心象スケッチ 春と修羅』に修められた詩。
       …妹トシの臨終(1921年11月)を題材としている。
④「やまなし」…1923年4月岩手毎日新聞に掲載。

 書かれた順にならべると、③④②①となります。もちろん、実際に下書きをした年は、明確にはできません。ただ、「やまなし」が妹トシの死の後に、掲載されたことに、妹の死と、やまなしに出てくる死が、関連していると考えられます。
 作品を読むというのは、その作品だけを根拠として読むべきです。
 ただ、学びとは、これまでの学びをないものとすることではなく、これまでの学びが今の学びを補完していくとも考えられます。
 賢治のこれまでの作品からの学びが、やはり「やまなし」の授業に反映されていくべきなのではないでしょうか。

(2011.1.8)