三重丸の答えとは?

『しょうがくさんすう2年上』(大阪書籍)に、次のような問題があります。

 ゆうえんちに 364人の 人が きました。そのうち おとなは 136人です。
 子どもは なん人ですか。

 一斉読みや、立って一人読みなどをさせたあと、おきまりの問いを出します。
『これは、何のお話ですか。』
 正解は「ゆうえんちにきたお話。」
『聞いてることは何ですか。聞いてることに線を引きなさい。』
 これもおきまり。
『定規で引くんですよ。』と、念押しも忘れずにします。
 軽い机間巡視をして、50点の子を見つけます。
『○○さん、線を引いたところを読んでください。』
「なん人ですか。」
『「なん人ですか」に線を引いた人?』
 クラスの3分の1ぐらい手があがります。
『これは50点です。』
 別の子を指名します。
「子どもはなん人ですか。」
『「子どもはなん人ですか」に、線を引いた人?』
 たくさん手があがりました。
『その通り。100点!』
 再び、問題文を読ませます。
『少し問題を変えます。』
 そう言って、前の方の席の2人の子を立たせます。そして、教室前方へ連れてきます。
『ここは遊園地です。遊園地に3人の人がきました。そのうち大人は1人です。』
 そう言いながら、私は2人の子から離れます。
『子どもは何人ですか?』
「2人。」
『式は?』
「2-1」
『そうだな。もう一度、教科書の問題を読んでみよう。さんはい!』
 このあと、ノートに式を書かせます。
『書けたら「書けました」と言いなさい。』と、追い込みます。
 こういう問題は、式と筆算と答えの3点セットでやることを思い出させたあと、筆算を書かせて、いつものように、一緒に書かせます。
 次に、式に=をつけさせ、答えを書かせます。
『あと、1つ足りないな。』
「答え。」
『そうだな。今日は、答えの書き方をきびしく見ます。1重丸から3重丸まであります。答えが書けたら、持ってらっしゃい。』
答え 228
『足りません。』と言い放ちます。チェックだけつけます。
答え 228人
 これは、一重丸です。
『三重丸に挑戦してみましょう。』
答え 子どもは228人
 これは、二重丸です。
『二重丸が出ました。○○さんは二重丸です。』と、大いに宣伝します。
答え 子どもは228人です。
 これが、三重丸なのです。
「子どもは なん人ですか。」と聞かれてるのだから、「子どもは228人です。」と答えるのが完璧なのです。
(向山洋一教え方教室で学んだことです。)

(1999.9.20)