「米洗う…」の授業

 約2週間遅れの学習参観・懇談会が終わりました。
「米洗う前を蛍が二つ三つ」の俳句の授業は、盛り上がったものとなりました。

①名文音読「学問のすすめ」を参観者の方に向いて、音読。
②その間に、黒板の右端に、「米洗う…」の俳句を書いておく。
③「読まない漢字は飛ばしていいから読んでみましょう。」2列指名。
④正しい読みを教え、さらに2列指名し、読ませる。
⑤「立って覚えたら、後ろを向いて言ってすわりましょう。」
⑥全員着席後、残り2列指名。後ろを向いて1人ずつ暗唱させる。
(ここまでで、全員、1人1回は指名されて、この俳句を音読したことになります。)
⑦「Aさんが、「米洗う前が」と「を」を「が」に間違えたけれど、間違えることによって、ここの言葉が何だったかを確認できますね。」
(伏線はり)
⑧「ノート1行目、1番上から写します。写せたら、赤鉛筆を持って、参観されてる方の誰でもいいから、○をもらってきましょう。」
⑨全員が○をもらった後に、「「うまいね」とほめられた人?」と聞く。(1人いた)
⑩分かったこと・気がついたこと・思ったことを5つ書いたら持ってこさせる。

 板書された気付きを扱っていくことで、この俳句の世界が広がっていきました。 懇談会でも、多様なことに子どもが気づいたことに、すごく感心していました。

(2009.9.30)

 子どもたちの気付きで俳句の世界が広がり、授業も次々展開されていきました。

・数え方がおかしい。
・蛍は、むしだから匹なのに三つって書いてる。

 この二人の意見を検討しました。「なんで二匹三匹と書かないか。」に対して、まず俳句の文字数がオーバーすることの指摘が出ました。
 どう切り返しますか。
「じゃあ、二三匹といえばいいじゃないのかな。」
 この疑問はとりあえずおいておいて、他の子の気付きを扱っている中で、次の気付きが出てきました。

・森とかくらいところにおるみたい。

「暗かったら、蛍は見えないんじゃないの?」
「光ってる。」
 ここから、蛍の光を二つ三つと数えてるんだ、という気付きが、生まれてきました。二匹三匹としないのは、蛍の光だったからなのです。

・米を洗っている前に蛍が飛んでいる。

 この気付きから、「蛍は飛んでいるか止まっているか」の問いへつなげることができました。飛んでいるが14人、止まってるが10人、見事分かれたのです。

(2009.10.1)

 子どもの日記から。

 今日の五時間目に授業参観がありました。俳句の勉強で、米洗う前を蛍が二つ三つという俳句に、季節は春夏秋冬のどれ?で、ぼくは、夏にしました。季語が蛍だなんて、気が付きませんでした。場所は自然がある所です。時刻は、夜で、蛍は見えてなく、光だけだと思いました。蛍はとんでいるか、止まっているか!!VS!!ぼくは、とんでいるにしたけど、AさんやBさん、Cんは、すごいと思いました。やっぱり、を使えているっていうかんじがして、見習わないといけないって思いました。だと止まるに意味がありますが、だと動くに意味があると思いました。かるたはDさんに7対10でまけました。おかあさんが弱っていわれてショック99.5%!!次がんばりたいです。

「に」と「を」の違いを他の子が言ったことに対して、「見習わないと」と思えるところが、青木くんのすばらしいことです。
 授業の最初は名文音読「学問のすすめ」をし、授業の最後(チャイムの後)に名句カルタをしました。
 日頃から俳句に触れているんだ、というところを見せたかったのです。
「ご用意よければ、空札一枚。」
 空札として詠んだのが「米洗う…」の俳句なのです。

(2009.10.2)