歯止めをかける

 2学期シルバーの3日間最終日です。
 机の上に鉛筆を1本だけ出させ、となりと机を離させました。
 それからB6ぐらいの大きさの紙を配り、次の2つの項目を書かせました。
「言われていやだった言葉」「やられていやだった事」
 3日目の1時間目にやりましたから、新学期が始まって、わずか2日間の学校での出来事についてアンケートをとったのです。
 何もなければ、「なし」と書けばいいわけです。

【言われていやだった言葉】
・みかんこぞう  ・チビ  ・たん足  ・チビ!!  ・ハゲ  ・死ね
・どろって言われた。  ・なかのり
【やられていやだった事】
・エプロンでなぐられた。
・何もしていないのにたたかれた。足でひっかけてこかされそうになった。
・何もしてないのに、わざとぶつかってきたこと
・なにもしてないのにけられた  ・なぐられる
・いみもなく頭とかいろいろたたいてきた。  ・たたいて来る。
・ズボンをおろされたこと

 集めた紙に書かれたことを誰が書いたかを言わないで、全部私が読みました。
 その後、列指名で全員に、このことに対しての感想を言わせました。
「何もしてないのにたたくのはひどいです。」
「たった2日しかたってないのに、こんなにあったら、これからが大変。」
 実際に話を聴いてみれば、たいしたことはないことなのかもしれません。
 でもクラス全員から集めてみると、そうとうな数になります。
 夏休み明けであること、毎日暑いこと、生活リズムが崩れた中で始まった新学期、子どもたちはイライラを抱えているはずです。そのイライラが、友だちに対する暴言だったり、暴力になったりするわけです。
 こういうものは、小さい内に歯止めをしておく必要があります。
「今出た中で、自分がちょっとでも関係してると思う人は立ちなさい。」
「これかれはそういうことをやらないように気を付ける人は座りなさい。」
「次の同じようなことがあれば、その人には前に立ってもらい、詳しく話を聞く ことになります。」
とりあえず反省させ、次への行動への脅しをかけておいたわけです。
もちろんこれで、暴言や暴力が完全になくなるわけではありません。
 ただ、クラス全員の「それをやったらあかん」という共通認識をとりあえず作ることができました。実はそれが大事で、次の指導のための最初のステップなのです。個人の行動の是非を追求するのは、その後の指導なのです。

(2010.9.3)